心が叫びたがってるんだを観た話

どうも(cv.坂上拓実)
 
今回は実写版心が叫びたがってるんだを観た感想でもつらつら書きたいと思います。Mission:Kの感想も書こうと思っていたのに…こちらはいつになることやら……(笑)
 
最初に言っておきますがネタバレしかございませんのでまだ観てないよという方は電源ボタンを押して回れ右!(言い回しが古い)
 
あくまでも個人の一意見にすぎませんので「ここはこうじゃないの?」とか「それはなくない?」とかまあなんかありましてもお手柔らかにお願いいたします…尚、意見については私もいろんな考えを知りたいので優しく教えて頂けると喜びます…優しくね…お願いいたします……(ビビり)
 
以下、感想及び考察です。
 
 
まず私はこの映画を最初に見たとき、純粋に「なんで拓実が主役なの?」と思いました。元々アニメ版を見たことがあったのですがアニメ版は順が主役だったのでその辺を拓実視点に変えるのかな?と思ったのですがどうも順が主役にしか見えない。
 
そもそも順の幼少期や順の家のことについては詳しく描いているにも関わらず、主役の拓実についてはあまり詳しい描写がないんですよね。
 
拓実は、両親が離婚し父方の祖父母に預けられたまま父親も東京に行ったきりという情報しかありません。不思議じゃないですか?主役なのに。
 
順は家族がどうして離婚したか、どうして喋ることが出来なくなったのか、の描写も詳しすぎるくらい描かれているのに拓実は拓実の喋る内容でしか知ることが出来ないんですよね。情報があまりにも順に集中しすぎている。
 
あと、どう考えても拓実にフィルターがかかりすぎてる。
 
めちゃめちゃ良い奴っぽく見えてしまうけど多分あの世界にいて第三者として4人を見ていたら一番拓実が意味の分からない存在だと思います。自分の意見を言わない上に何を考えてるのかよく分からないし。
 
でも順から見た拓実が描かれているせいでどうにも良い奴に見えてくるんですよね。なんなら「いやこんなん私も好きになるじゃん?」となりかねない。というかなった←
 
出だしの自転車に気怠そうに乗って登校する拓実と後半の拓実ではどうにも違う人みたいな見え方がするなと思ったんですよ。あ、これってきっと途中から順が見てる拓実になっているのかもしれないなと。
 
私が変わったなと思ったのは音楽室で玉子の歌を歌う拓実を順が見てからです。まさに順が拓実を気になり始めたのもそのシーンからですよね。そこまでは話すらしていなかったので。そこからどうにも拓実がキラキラしているように感じました。
 
だからきっと順はこの時から拓実を中心に世界が回っていたのかもしれないと思いました。そして、順の世界のお話だから主役は拓実なのかなぁと。このお話が全て順の描いた順視点のお話だとしたらたしかに主役は拓実だなぁと。故に拓実はずっと何だか良い奴に見えてくるキラキラフィルターをかけられたまま私たちの前に出てきているのかなぁと思いました。
 
 
順の世界の話だと思ったのはそれだけではなく、ふれ交に順が来なくて外で待っている拓実、仁藤、田崎3人のシーンでも思いました。
 
たしかに視聴覚室で拓実が「仁藤が好きだ」と告白するシーンを順は見てしまったわけですが。拓実は順が見ているからわざと告白したわけではなく見ていることを知らなかったわけじゃないですか。なのに田崎は「お前ら何してくれてんだよ!」って怒るんですよね。まるで拓実が仁藤に告白したことが重大な罪だったかのように。
 
もちろん田崎は順のことが好きだからこそ順の気持ちを想って怒ったのは分かるのですが(まあそもそも田崎が順を視聴覚室に連れて行かなければ見ることはなかったんですけど)(順を想っての行動なことは分かってますけどね!)第三者の私からしてみると「そんなに告白するのってダメなことか?高校生なら割とありえることなのでは?」と思います。そこで私はもしかしてこれは順の世界の話だからかな?と思いました。
 
順からすれば自分のことを好きだと思っていた拓実が実は仁藤が好きだった→拓実なんなんだよ!って話じゃないですか。つまり順の気持ちなんですよねきっと。この告白がまるで悪いことをしたかのように描かれているのって。
 
不思議だなと思ったのはそれまでキラキラした拓実が映る故に順が主役のような感じがしていたのですが、失恋したラブホテルのシーン以降はフィルターが取れてどっちが主役なのか分からなくなるんですよね。私は見ていて「あれ、これどっちが主役だ…?」となりました。
 
そこで、ああきっとこの時にはもう失恋してるから拓実へのフィルターがなくなったんだ。だからどっちが主役か分からなくなったんだと思いました。
 
 
そもそも最初に見たときは「え、拓実って本当に仁藤が好きなの?むしろ順の方が好きそうじゃない?」と思うくらい仁藤のことを好きそうな素振りがなくて。きっとこれも順視点だからなのかなぁと。
 
まあ、何回も見ているうちに順に向ける視線と仁藤に向ける視線が明らかに違うので「なんだよ拓実、仁藤が好きなのダダ漏れじゃん…」となっていたのですが(笑)
 
 
その他、個人的に気になった事をまとめておきます。
 
 
1.揚羽高校のクラス替え
 
ふれ交の実行委員を決める日の日付けは見れていないのであれなのですが、実行委員が決まって出し物を決める日(拓実が「いい加減にしろよ」と田崎にふっかけて順が「私はやれるよ」と歌うシーン)の日付けが4/12だったんですよね。
 
つまりふれ交の実行委員が決まった日はそれより前なわけじゃないですか。なのにクラスのグループはもうすっかり出来ていてなんなら仲良い子通しの距離感もかなり近い。「”菜月”いい加減諦めなよ」とか「”拓ちゃん”おはよう」という名前の呼び方からも仲が良いんだなという感じを伺えます。まあこれは同じ部活だからかもしれませんが。
 
4月の頭でそんなにクラスの中でグループが出来上がっているということはクラス替えがない学校なのかなぁと。あと、単純に順がクラスで浮いてない。
 
多分「喋らない子」というだけで高校生なら好奇の目で見る人が大多数だと思うんですよね。でもこのクラスでいわゆるいじめのようなものは見られないしむしろ順=喋らない子、が当たり前化している感じがしました。「いくら菜月でも成瀬を喋らせるのは無理だって」とか「成瀬が喋ったとこ初めて見た」とか。
 
クラス替えがあるとしたら「あの喋らない成瀬?」とか「あの子って本当に喋らないのかな?」とかそういう目で見られそうなのにそんな空気を感じられなかったのでこれはきっと3年間クラス替えがないからなのかなぁと。3年も経てば慣れますからね。
 
 
2.順のタイツ
 
これは最初の時点で4月にタイツ…?と思っていたのですがふれ交開催日が5/20で、それでもまだ順がタイツを履いているのを見て暑くないんか??と思っただけの話です(笑)
 
秩父の情報がないのであれなのですが秩父は寒いから5月でも普通にタイツ履くとかそういう感じなんですかね?それとも順が季節関係なく年中タイツを履くとか?夏はさすがに暑いと思うんで脱いで欲しいですけどね(なんの話)
 
 
3.ふれあい交流会
 
 
大学受験をしていない身なので分からないのですが5/20がふれ交の開催日で高校3年生のその時期に1ヶ月間を丸々準備に使うことって可能なんですかね?GWとか結構勉強とか忙しいイメージだったので。まあ、映画だから!と言われればそれまでなのですが。
 
あと個人的に4/15の集中講義、4/19の短縮授業が気になりました…(笑)
 
音楽の授業が全員必須なのも不思議でしたね。高3ともなればその辺は選択なんじゃないのかなぁと。まあこれは私の高校が選択だったよってだけの話なので分かりませんが。揚羽高校は進学校ではなさそうな雰囲気ですよね。高3でもがっつり部活やっているの見てても思いました。あと校則が緩い。髪色の規定はありそうだけど(みんな暗いから)パーマかけてる子もいるしカバンも自由だし。
 
 
4.席順
 
これはクラス替えの話ともリンクするんですけどあのクラスの席順ってかなり不思議じゃないですか?割と仲良い子たち(三上さんとニコイチの子が隣同士だったりチア部の2人と野球部2人が隣同士、DTM研の2人も前後の席)は席が近いんだなぁという印象だったので。
 
名前順かな?とも思ったのですが成瀬の2つ後ろに坂上、そのまた2つ後ろに田崎だったので「な→さ→た」ってことは違うなと。名前順でもないということでもクラス替えをしない高校なのかなと思いました。大抵、クラス替えをして最初の1ヶ月くらいは名前順の席じゃないですか。4月の時点で名前順ではなさそうだったので。
 
あと優等生の仁藤が一番後ろの席なのも気になりました。自由に席を決められる方式ならチア部の2人ともう少し近い場所に座るだろうし、優等生なら一番後ろではなく前の方に座るかなぁと。
 
田崎が窓側の一番後ろではなく窓から2番目の一番後ろなのも気になりました。大抵ああいうちょっと口の悪い番長みたいな奴って窓側の一番後ろにいるイメージだったので(笑)まあこれは単純に自分の中のイメージでしかないのであれなのですが自由に決めているわけでもないのかなぁと。
 
 
5.拓実と順の家庭環境
 
 
この2人の家庭環境、たしかに境遇は似ているのですが正反対だなぁとまず家を見て思いました。拓実の家は昔ながらのいわゆる田舎の家という感じがしますが順の家は周りにそぐわない都会に建てられた家のような印象を受けます。恐らく直近に建てたばかりの新築なのかと。
 
順が走って家を飛び出したあとバスを見るシーンで、後ろに映るアパートが古いものである印象を受けました。恐らく家から少し出た所だと思うのですがそう考えるとやはり順の家だけ明らかに新しいんですよね。拓実は登校までの道のりに田んぼがあるような場所に住んでいるのにも関わらず順の住んでいる場所はなぜか都会的な印象を受けます。
 
その他登場人物の家が出て来ていないので比較が出来ないのですが主要の2人の家がこんなにも非対称なのも珍しいなと思いました。同じ高校に通う同じ地域に住む2人なのに。
 
また、食事シーンもとても印象的でした。拓実は食事というかおやつを食べているだけなのですが。祖父母と3人でTVをつけず楽しげにお喋りをしている一方で、順は母親と2人、まるで葬式にいるかのような暗い顔でTVの音だけが聞こえるようなとても静かな食事をしています。
 
最初は順が喋れないからだと思っていたのですが、その後、母が順にミュージカルのちらしの話をするときは同じ条件でもとても明るくなった印象を受けたので心情の変化が食事シーンにも現れているのかなぁと思いました。
 
また、拓実と比較することで順の家の冷たさ(というよりも親子の拗れてしまった関係性)をより強く印象付けられました。だからこそあの、拓実が祖父母とおやつを食べながら談笑しているシーンを入れ込んだのかなぁと。
 
あとこれは関係ないのですが拓実の家には拓実の部屋がないのか?という疑問も浮かびました。順が家に来た時、客間のようなところに通していましたが普通だったら自分の部屋に通すんじゃないのかなぁと。祖母が入って来た時に成瀬さんの娘が本当は喋れないということを知られてはいけないと思って慌てている所からも、だったら尚更自分の部屋に通すのでは…?と思いました。
 
高3の男の子が居間で祖父母とおやつを食べているのもかなり不思議な光景ですが(その年頃の男の子だと極力自分の部屋にいがちなイメージなので)お風呂上がりにも居間でTVを見ていたのでもしかしたら自分の部屋がないのかなぁと思いました。
 
自分の部屋がないとなるとどこで寝ているのかも疑問なのですが。まさか祖父母と一緒に3人で寝ている…??かなり大きな家なのに自分の部屋がないというのはなんとも不思議ですが。あの家はなかなか謎だらけですね。
 
 
6.仁藤が拓実を好きな理由
 
 
全編を通して順越しの拓実を見ていたので順が拓実を好きになった理由は十二分に分かるのですが仁藤はなぜいまも拓実を好きなのかが全くもって分かりません。
 
野球部員を見て「嫌な感じ。言いたいことがあるならハッキリ言えば良いのに」と思わず口に出してしまうようなハッキリした性格の仁藤からしてみれば恐らく拓実のような言いたいことも言わず、本音も言わない、何を考えているのか分からない男が一番嫌いなタイプなのでは?と思います。
 
…顔か?顔なのか??←
 
 
7.拓実の父親の部屋
 
 
拓実がピアノを弾く時にピアノが埃を被っているのを見て掃除をしていないのだろうか…?と思いました。でもその他の場所は比較的綺麗に保たれているんですよね。もう長くピアノを弾いていないということを表したかったのかなぁ。その割には悲愴を軽々弾いているのが不思議ですけどね。
 
あと、あの部屋は趣味の範疇を超えているなぁと。父親が音楽をやっている人なのは分かるのですが置いてある機器や楽譜の数からして明らかにもう趣味だけではないですよね。ましてやあんな大きな部屋を丸々音楽部屋として使っているので。
 
ベッド等がないことからも父親の部屋というよりは完全なる音楽部屋であることが伺えました。東京で何か音楽関係(作曲家だと私は勝手に考えています)の仕事をしているのかなぁ。
 
 
以上が私がここさけを観ていて気になった細かい疑問点です!
 
 
長くなりましたが私は本当にこの映画がとても好きです。実写だからこそ伝わってくるものがたくさんありました。ミュージカルシーンはやはり実写だと迫力があってより感動しますね。最後は何度見ても圧巻すぎて鳥肌が立ちます。
 
ちなみに私が一番好きなのは何と言っても拓実の告白シーンを見てしまった順が思い出す拓実の顔です。失恋して辛い中で思い出すのが自分に向けた優しい笑顔なんですよね。それってすごく分かるなと思って。辛い苦しいムカつくもう嫌い!と思っても結局一番に思い出すのは好きな人に優しくされたことなんですよね。
 
そのあと順は拓実に「好きでもないのに優しくすんな!」とか「いっつも私の気持ち分かってくれてキモいんだよ!」等々とにかく怒りをぶつけるのに思い出すのは自分に優しくしてくれた拓実なんですよ。それがもう切なくて切なくて。毎回このシーンで泣いてしまいます。
 
 
ちなみに個人的な最初の泣けるシーンはふれ交準備のカレンダーに順が「衣装素敵です!」などのメッセージを貼っていたと思ったらクラスメイトたちが「成瀬さんありがとう!」などの順宛のメッセージを貼っているところです。
 
順の勇気がこんなにもクラスを変えたんだ……と思うと毎回泣きます。涙もろいのでこのくらいで号泣します。
 
 
言葉で人を傷つけ言葉を失った順が救われたのもまた言葉、というのはとても皮肉なものだなぁと思います。
 
「言葉は人を傷つける武器にもなるし、人を喜ばせる花束にもなる」とは本当にその通りだと気付かされます。
 
観た人にしか伝わらないものがたくさんあるのでとにかくもう観て!としか言いようがない映画なのですが(笑)本当にこの作品を観ることが出来て良かったです。
 
 
 
色んな気持ちを閉じ込めて、閉じ込めきれなくなって、爆発して、そして生まれたこの世界は、思ったより綺麗なんだ。
 
 
終わり。